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シロアリ駆除剤の人体への影響は?安全性と対策を解説

シロアリ駆除を考えたとき、多くの方が「使用する薬剤は安全なのだろうか」という不安を抱えるのではないでしょうか。   特に、小さなお子様やペットがいるご家庭では、シロアリ駆-除剤が人体への影響を及ぼす可能性について、より一層慎重になるのは当然のことです。

この記事では、シロアリの防蟻処理で使われる薬剤が人体へ与える影響について、専門的な観点から詳しく解説します。   現在の薬剤の安全性から、赤ちゃんへのちゃんとした影響、駆除後の換気の必要性、薬剤の匂いはいつまで続くのかといった具体的な疑問にお答えします。

また、自分で駆除を行う際の注意点や、薬剤散布が必要ないケース、さらには洗濯物への配慮や、駆除後にゴキブリがいなくなるのかといった気になる点まで、幅広く情報をお届けします。   薬剤による室内への影響を正しく理解し、後悔のない対策を選択するための一助となれば幸いです。

  • シロアリ駆除剤の具体的な健康リスクと安全性の現状
  • 赤ちゃんやペット、妊婦など特に配慮が必要なケースの対策
  • 薬剤を散布しない「ベイト工法」などの安全な駆除方法
  • 駆除作業の前後で実践すべき具体的な注意点とセルフケア
目次

シロアリ駆除剤の人体への影響は本当にある?

  • シロアリ駆除剤の主な人体への影響

  • 赤ちゃんへのちゃんとした影響も考慮

  • 特に注意が必要な人の特徴とは

  • 薬剤による室内への影響と範囲

シロアリ駆除剤の主な人体への影響

シロアリ駆-除剤が人体に与える影響の可能性はゼロではありません。   過去には、有機塩素系のクロルデンや有機リン系のクロルピリホスといった、残留性が高く健康への懸念が指摘される薬剤が使用されていた時代がありました。

これらの薬剤が原因とされるシックハウス症候群が社会問題となり、現在では使用が禁止されています。

現在のシロアリ駆除では、安全性が大幅に向上した薬剤が主流です。   主にネオニコチノイド系やピレスロイド系といった成分が用いられており、これらは(公社)日本しろあり対策協会などの機関で安全性が審査・認定されています。

これらの薬剤は、昆虫の神経系に特異的に作用するように設計されており、人間をはじめとする哺乳類への毒性は低いとされています。

ただ、化学物質であることに変わりはないため、個人の体質によってはアレルギー反応やシックハウス症候群に似た症状(頭痛、めまい、吐き気、皮膚のかゆみなど)を引き起こす可能性は否定できません。   そのため、薬剤を使用する際は、正しい知識を持ち、適切な方法で施工することが極めて大切になります。

赤ちゃんへのちゃんとした影響も考慮

大人の身体には影響が少ないとされる薬剤でも、赤ちゃんや小さなお子様にはより慎重な配慮が求められます。   身体が未発達な乳幼児は、化学物質に対する感受性が高く、解毒能力も大人とは異なるためです。

特に、薬剤の成分を吸い込んだり、薬剤が付着した床を這ったり舐めたりすることで、体内に取り込んでしまうリスクが考えられます。   一部の研究では、特定の化学物質が胎児や乳幼児の脳の発達に影響を及ぼす可能性も指摘されています。

したがって、妊婦さんがいるご家庭や、小さなお子様がいる環境での薬剤散布は、最大限の注意を払う必要があります。

また、人間以外のペットへの影響も忘れてはなりません。   犬や猫といった哺乳類へのリスクは比較的低いとされていますが、魚類や両生類、爬虫類、そして昆虫類にとっては非常に有毒な場合があります。

水槽で魚を飼っていたり、カブトムシなどを飼育していたりする場合は、駆除作業の際に厳重な対策が不可欠です。

特に注意が必要な人の特徴とは

シロアリ駆-除剤の影響を受けやすいのは、前述の乳幼児や妊婦さんだけではありません。   以下のような特徴を持つ方は、特に注意が必要です。

化学物質過敏症の方

ごく微量の化学物質にも反応し、頭痛や倦怠感、アレルギー様の症状など、多岐にわたる不調が現れることがあります。   洗剤や芳香剤、化粧品などで気分が悪くなった経験がある方は、シロアリ駆-除剤にも反応する可能性があるため、事前に専門医や施工業者へ相談することが大切です。

アレルギー体質・喘息の方

薬剤の成分や、施工時に舞い上がるホコリが刺激となり、アレルギー症状や喘息発作を誘発する可能性があります。   皮膚のかゆみや湿疹、咳、息苦しさなどの症状に注意が必要です。

高齢の方

加齢に伴い、免疫力や身体の解毒機能が低下している場合があります。   そのため、若い頃は何ともなかった化学物質に対しても、予期せぬ体調不良を引き起こすことも考えられます。

これらの特徴に当てはまる方がご家族にいる場合は、安易な薬剤散布は避け、より安全性の高い駆除方法を検討することが推奨されます。

薬剤による室内への影響と範囲

シロアリ駆除の薬剤は、主に床下に散布されますが、生活空間である室内にも影響が及ぶ可能性があります。   床下の空気は、わずかな隙間や空気の対流によって室内へ流入することが知られています。

特に近年の高気密住宅では、床下と室内の空気が循環しやすくなっているケースもあります。

床下点検口がキッチンや洗面所にある場合、作業中や作業後に薬剤の匂いや成分が室内に広がりやすくなります。   床下収納庫に保管している食品、特に米や乾物などは、匂いが移る可能性があるため、事前に別の場所へ移動させておくと安心です。

また、24時間換気システムが設置されている住宅では注意が必要です。   施工中にシステムが作動していると、床下の空気を室内に取り込んでしまう恐れがあります。

施工当日から翌日にかけては、一時的に換気システムを停止するなどの対策が有効です。   このように、薬剤の影響は床下だけに留まらないことを理解し、適切な準備と対策を講じることが求められます。

シロアリ駆除剤の人体への影響を減らす対策

  • 安全な防蟻処理のベイト工法とは

  • 薬剤散布が必要ないケースもある

  • 自分で駆除する場合の危険性

  • 駆除後の換気はいつまですべきか

  • 駆除剤の匂いはいつまで続くのか

  • 洗濯物への薬剤付着を防ぐ方法

  • 駆除後にゴキブリもいなくなる?

安全な防蟻処理のベイト工法とは

薬剤散布による人体への影響が心配な場合に、有力な選択肢となるのが「ベイト工法」です。   これは、薬剤を液体で散布するのではなく、専用の容器に入れた毒餌(ベイト剤)を建物の周囲の土に埋設してシロアリを駆除する方法です。

ベイト剤を食べたシロアリが巣に持ち帰り、仲間に分け与えることで、巣全体を時間をかけて根絶に導きます。   この方法の最大のメリットは、薬剤を空気中に飛散させないため、室内環境への影響がほとんどない点です。化学物質に敏感な方や、小さなお子様、ペットがいるご家庭でも安心して実施できます。

一方で、デメリットも存在します。シロアリがベイト剤を見つけて食べるまでに時間がかかるため、即効性は期待できません。   また、巣が完全に駆除されるまで数ヶ月から1年以上かかることもあります。

定期的な点検やベイト剤の交換が必要となり、薬剤散布(バリア工法)に比べて費用が割高になる傾向もあります。

項目 バリア工法(薬剤散布) ベイト工法
安全性 △(薬剤が飛散する可能性) ◎(薬剤の飛散なし)
即効性 ◎(速やかに効果が現れる) ×(効果発現まで時間がかかる)
効果の対象 散布した範囲のシロアリ ◎(巣ごと根絶を目指せる)
費用 比較的安価 比較的高価になる傾向
向いている家 早く被害を止めたい場合 安全性を最優先したい場合

薬剤散布が必要ないケースもある

全ての住宅で強力な化学薬剤による防蟻処理が必須というわけではありません。   家の構造や使用されている建材によっては、薬剤散布がそもそも必要ない、あるいはより自然な方法で対策が可能な場合があります。

例えば、日本の伝統的な木材であるヒノキやヒバ、クリなどは、木自体が持つ成分によって高い防蟻性(シロアリを寄せ付けにくい性質)があることが知られています。   これらの木材を土台や柱に使用している場合は、薬剤への依存度を下げることが可能です。

また、近年注目されているのがホウ酸を用いた防蟻処理です。ホウ酸は自然界に存在する無機物で、人間などの哺乳類が摂取しても腎臓の働きで排出されるため、安全性が高いとされています。

シロアリが摂取するとエネルギー代謝を阻害して駆除する仕組みで、揮発しないため室内空気を汚染する心配がありません。   ただし、水に溶けやすいため、雨がかかる屋外や湿気の多い場所での使用には向きません。家の構造や立地条件を考慮して選択することが大切です。

自分で駆除する場合の危険性

ホームセンターなどで市販されているシロアリ駆-除剤を使い、自分で対策を試みる方もいます。   費用を抑えられるというメリットはありますが、専門知識がないまま行うことには大きな危険性が伴います。

第一に、健康被害のリスクです。   市販の殺虫剤であっても、狭い床下で適切な防護具なしに使用すれば、大量の薬剤を吸い込んでしまい、急性中毒を引き起こす可能性があります。   換気が不十分なまま作業を行うことは非常に危険です。

第二に、駆除が不完全になるリスクです。   目に見えるシロアリを駆除できても、巣の中心部や建物の奥深くにいるシロアリまで根絶することは困難です。

中途半端な対策は、シロアリの警戒心を高め、薬剤の届かない場所へ被害を拡大させてしまう原因にもなりかねません。   結果的に被害が悪化し、専門業者に依頼した際の修繕費用が高額になってしまうケースも少なくありません。

安全性と確実性を考慮すると、シロアリの駆除は専門知識と技術を持つ業者に任せるのが賢明な判断と言えます。

駆除後の換気はいつまですべきか

薬剤散布によるシロアリ駆除を行った後は、十分な換気が不可欠です。   施工によって床下から室内へ流れ込んだ薬剤の成分や匂いを、屋外へ排出するために行います。

換気を行う期間の目安としては、施工当日から少なくとも数時間、できれば翌日まで意識的に行うことが推奨されます。   具体的な時間は、使用した薬剤の種類や量、建物の構造、季節などによって異なりますので、施工業者に確認するのが最も確実です。

換気の方法は、窓を2箇所以上開けて空気の通り道を作ることが基本です。   対角線上にある窓を開けると、家全体の空気が効率的に入れ替わります。窓を開けるのが難しい場合は、キッチンや洗面所、浴室の換気扇を長時間稼働させるだけでも効果があります。

特に、床下点検口の近くは重点的に換気を行いましょう。適切な換気は、ご家族の健康を守るための重要なステップです。

駆除剤の匂いはいつまで続くのか

「駆除後の薬剤の匂いがいつまでも残るのではないか」と心配される方も多いですが、現在のシロアリ駆-除剤は、技術の進歩により低臭性や無臭性のものが主流となっています。   そのため、かつてのように強い刺激臭が長期間続くことはほとんどありません。

ただし、匂いの感じ方には個人差があり、化学物質に敏感な方はわずかな匂いでも不快に感じることがあります。   施工直後は、薬剤そのものの匂いというよりは、床下に溜まっていたカビやホコリの匂いが、作業によって舞い上がり、薬剤の匂いと混じって感じられることが多いようです。

通常、これらの匂いは、前述の通り適切な換気を行うことで、施工後数時間から2~3日程度で気にならないレベルまで薄れていきます。   もし、1週間以上たっても強い匂いが残るような場合は、何らかの問題がある可能性も考えられるため、施工した業者に相談することをおすすめします。

洗濯物への薬剤付着を防ぐ方法

シロアリ駆除の施工当日は、薬剤が洗濯物に付着するのを防ぐための配慮も大切です。   屋外で薬剤を使用する作業(玄関周りの土壌処理など)がある場合、風によって薬剤が飛散し、ベランダや庭に干している洗濯物に付着する可能性があります。

最も安全な対策は、施工当日は洗濯物の外干しを避けることです。   どうしても洗濯が必要な場合は、室内干しに切り替えましょう。   その際も、薬剤の散布場所や点検口からなるべく離れた部屋を選ぶと、より安心です。

また、施工業者によっては、作業前に養生シートで周囲を保護してくれますが、念のため、ペットの食器や子供のおもちゃ、家庭菜園の野菜なども、薬剤がかからないように室内へ移動させるか、シートで覆うなどの対策をしておくと万全です。   少しの手間をかけることで、余計な心配を減らすことができます。

駆除後にゴキブリもいなくなる?

シロアリ駆除をすると、他の害虫であるゴキブリもいなくなるのではないか、と期待する声を聞くことがあります。   シロアリ駆除で使用する薬剤は、シロアリに対して高い効果を発揮するよう作られており、ゴキブリなど他の昆虫への直接的な駆除効果は限定的です。

薬剤が直接かかればゴキブリも死ぬことがありますが、巣に潜んでいる個体や外部から侵入してくる個体を全て駆除する効果は期待できません。

ただ、間接的な効果は考えられます。   シロアリ駆除の一環として床下の湿気対策や清掃が行われることで、ゴキブリにとっても住みにくい環境になる可能性があります。

床下の通気性が改善され、乾燥状態が保たれることは、多くの害虫に対する予防策となります。   したがって、「ゴキブリが全く出なくなる」とは言えませんが、家全体の衛生環境が向上し、結果的に害虫が減る可能性はあると言えるかもしれません。

シロアリ駆除剤の人体への影響を正しく理解

この記事では、シロアリ駆-除剤が人体に与える影響と、そのリスクを軽減するための具体的な対策について解説しました。   最後に、安全なシロアリ対策を進めるための重要なポイントをまとめます。

  • 現在の主流薬剤は過去のものより安全性が大幅に向上している

  • それでも化学物質であるため健康リスクはゼロではない

  • 頭痛やめまい、皮膚炎などの症状が出る可能性を考慮する

  • 赤ちゃんや子供は化学物質への感受性が高く特に注意が必要

  • 妊婦、高齢者、アレルギー体質の方も影響を受けやすい

  • ペット、特に魚類や昆虫には有毒な場合がある

  • 薬剤を散布しない安全なベイト工法という選択肢がある

  • 家の構造や建材によっては薬剤が不要なケースもある

  • ホウ酸など比較的安全な薬剤も存在する

  • 専門知識のないDIY駆除は健康被害と駆除失敗のリスクが高い

  • 施工後は数時間から翌日にかけての十分な換気が不可欠

  • 薬剤の匂いは低臭性が主流で通常は数日で薄れる

  • 施工当日は洗濯物を室内に干すなど配慮する

  • 駆除剤のゴキブリへの直接的な効果は限定的

  • 不安な点は必ず事前に専門業者へ相談し納得の上で依頼する

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